はじめてのピアノ選び Vol.6 ~グランドピアノ~

こんにちは、Piano Cloudの吉田です。

え~、また、また、だいぶん時間が経ちましたが、

はじめてのピアノ選び その6

今回はグランドピアノ編です。

私たちは、これが仕事なのでもう麻痺していますが、

大多数の方はグランドピアノって、学校の音楽室、体育館のステージ、音楽ホール、

そしてピアノの先生やピアニストの自宅などにあるもの、と思っておられるのでは?

もちろん、事例としては間違いないのですが、

意外と一般のお客様のお宅でもたくさん使われているのです。

そして、私自身、一番最初に購入したのは電子ピアノですが、(はじめてのピアノ選び Vol.3 参照)そのあと、アップライトピアノになり、そして、結局、グランドピアノYAMAHA C3 も買いました。

決して、家に音大を目指すとか、そういうレベルの家族がいたわけではありません。

息子が二人いますが、二人ともピアノを習っていた、というくらいです。

でも、仕事柄、いろいろなピアノに触れる機会があり、

ピアノはやっぱり、グランドに尽きる!

という結論に達しただけです。

 

私は、回り道をしましたが、はじめてのピアノにグランドピアノを選んでくださったお客様、何人もいらっしゃいます。

また、はじめてのピアノではありませんが、私が応対した事例で、一番多いのが小学生のお子様で、アップライトからグランドへの買い替えです。

私は、自信をもって買い替えをお薦めします。

私もグランドピアノを買ったからです。

そして、日頃からグランドピアノで練習することで、格段に成長のスピードが速くなったり、音が良くなったりしたお子様を沢山存じ上げているからです。

 

他にも、

趣味でピアノを弾かれる大人の方、オーディオマニアの方、いろいろな方が、たくさんのピアノの中から、グランドピアノを選んでくださいました。

さて、そこで今回は、グランドピアノの魅力に迫ります。

 

①音

②アクション

③ペダル

④表現

⑤大きさ

はじめてのピアノ選び(1~5)

 

1 音

はい、当たり前ですね。

ボディのお大きさ、弦の長さ、そして、グランドピアノはやっぱり木材、弦、ハンマーなどの素材も良いものが使われています。

どれだけ伝わるかわかりませんが、ここで、音を出してみましょう。

アップライトピアノ YUS3

グランドピアノ C3

はい、演奏者の弾き方は酷いものです。(言われる前に自分で言います)

このレベルでの録画では、どうしても、音にフィルターがかかり、実際の音とは違ってしまうのですが、少しは、違いを感じていただけますでしょうか?

グランドピアノはアップライトピアノに比べて、レスポンスが敏感です。

ガチャガチャっとした弾き方をすると、ガチャガチャした音になってしまいます。

以前、来店された中学生のお客様、30分ほどのグランドピアノの試弾の中で、音がどんどん変わっていきました。

知らず知らずのうちに、綺麗な音を出すタッチに変わっていくんですね。

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2 アクション

グランドピアノとアップライトピアノでは打弦の構造『アクション』が違います。

グランドピアノのアクション

ピアノのしくみ:ピアノのアクションって、何? - 楽器解体全書 - ヤマハ株式会社

アップライトピアノのアクション
(すみません、同様のアクションモデルの画像でなくて)

で?  だから?

はい、どう違うかと申しますと詳細な理屈は割愛させていただきますが、

例えば、同音連打の場合

アップライトでは1秒間に6回から8回くらいなのに対し、グランドピアノでは13回から16回くらい可能です。

有名なところでは、教則本ツェルニー30番の12番とか26番でしょうか?

もし、これらの曲を、アップライトピアノで弾こうとしてもピアノの連打性能の限界を超えてしまう場合もあります。

このあたりは、ピティナ(PTNA)のホームページに、素晴らしい論文が掲載されていますので、是非一度、ご覧になってみてください。

「チェルニ30番」再考~パリ練習曲史の中で~より、

第26番―ギター風の伴奏音型と中音域の旋律

 

また、同音レガートができるようになります。

ピアノの鍵盤の深さは10ミリ。

アップライトピアノの場合、同じ鍵盤で続けて音を出す場合は一度下まで下げた鍵盤をしっかり10ミリ戻さないと次の音が出ません。

同時に、ダンパーが弦を抑えてしまうため、先に出した音が消えてしまいます。

でも、グランドピアノの場合、3~4ミリ戻せば次の音を出すことができしかも、ダンパーが弦を抑える前に、次の打弦に入るので、先に出した音も消えません。

同じ音を、滑らかにつなげることができます。

実際に鳴らしてみましょう。

そして、狙った音が出せる。

はい、音色・音量をコントロールできるということですが、このアクションの違いで、特にピアニッシモがきれいにコントロールできるようになります。

一つの曲の中で、分かり易く盛り上がる場所は、フォルテやフォルテシモになっているかもしれませんが、

聴かせどころは、ピアニッシモ!

大好きな人に、愛おしい気持ちを伝えるとき、

「愛してるよぉーーーー!!」

と、山に登って「ヤッホー!」みたいに、叫びますか?

まあ、それも一つの表現ですが、一般的には、

超至近距離で、

相手の瞳を見て、

それこそ、限りなく聞こえるか聞こえないかくらいのささやき声で、

「ア・イ・シ・テ・ル」

こちらの方が『キュン!』ときませんかね?

そう、グランドピアノではこれができるんです。

ちなみに音量については、ピアニストの山崎裕先生が

2020年4月20日のブログ

「音量20段階を試してみよう♩」

で動画を掲載されています。

先生はさりげなく弾いておられますが、これは難しい!

是非、一度、チャレンジなさってみてください。

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3 ペダル

現在では、アップライトもグランドもペダルの数は3本です。

アップライトピアノのペダル

グランドピアノのペダル

ご存知の方も、いらっしゃるとは思いますが、同じ3本でも、グランドとアップライトでは、その仕組みが違います(ごく一部に例外あり)。

先ず、右側のペダルはアップライトもグランドも同じダンパーペダルです。

弦押さえを開放して、音を伸ばし、仲のいい音を共鳴させます。

 

次に左側のペダル。ソフトペダルといって、音を曇らせるのが狙いです。

これが、グランドピアノの場合は鍵盤も含め、アクション全体が右側に1.7㎜くらいスライドします。

 

すると、通常は弦3本を叩くところが2本になるため音量が小さくなり、さらに、ハンマーも普段、弦に触れない柔らかいところで打つため音の立ち上がりが柔らかくなり、悲しい気持ちや、暗い感じを表現します。

これが、ピアノ本来のソフトペダルの狙いです。

では、実際に音を出してみましょう。

では、アップライトではどうなるか?

これが、ちょっと違ってまして、ハンマーが弦に近寄ります。

ハンマーの振り幅を小さくすることで、音量を小さくしますが、弦に当たる部分は変わらないので、音色の変化はありません。

こちらも、音を出してみましょう。

なんか、わかったような、わからないような、

変わったような気もするし、変わってないような気もするし、

消化不良気味の動画ですね。

すみません。スルーしていただいても結構です。

 

そして、真ん中のペダル。

アップライトでは弱音ペダルと言いまして、フェルトでできたマフラーが下りてきます。

これが、弦とハンマーの間に入り、音を小さくします。


普通はペダルを踏んで、左側に引っ掛け、踏んだ状態をキープ。

夜の練習や、隣家への配慮が必要な時に使います。

音量的には半分以下に落ちると言われています。

ただ、残念ながら音がこもったような感じになり、正直、完成度の高いものではありません。

でも、音量をどうしても落としたい場合には重宝します。

 

グランドピアノには弱音ペダルがありません。

真ん中のペダルは、ソステヌートペダルと言って伸ばす音を指定することができます。

文章でお伝えするのは、ちょっと、ややこしいのですが、

先ず、鍵盤が先です。

そして、鍵盤を押さえている間に、真ん中のペダルを踏み、

そのあと、鍵盤から手を放します。

そうすると、ペダルを踏んだ時に、押さえられていた音だけが伸びます。

古い時代のピアノにはこのペダルがなく、あまり使われないペダルと言われていますが、近現代の曲の中には、このペダルが指定される場合もありますし、バロックや古典の曲でもあまり響かせたくない場合は、意図的にこのペダルを使う場合もあるようです。

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4 すべてのピアノ曲は、グランドピアノを使って作曲されました。

作曲家の気持ちや、伝えたいことを十分に理解するには、

楽譜を深く読み解いた上で、

当時の作曲家の立場に寄り添ったり、

その時代背景を勉強したり、

その土地の気候を感じたり、

様々なアプローチが必要ですが、

最終的に作曲家がイメージする音の表現はグランドピアノで演奏するということが前提になっています。

アップライトピアノの歴史をインターネットで検索してみますと

『基本的な構造原理は16世紀、今日のアップライトピアノが1815年にイグナツ・プライエルによってパリで考案され、1840年頃に発表された』

とあります。

作曲家年表を見てみると、ショパンが1810-1849

アップライトが発表された1840年にはモーツアルトもベートーヴェンもシューベルトももう亡くなっておられます。

つまり、当時は、グランドピアノしかなかったのです。

グランドピアノの歴史は、アップライトピアノの歴史よりはるかに長く、ヤマハのホームページには楽器解体全書というサイトがあり、『ピアノの改良に歩調を合わせた大作曲家』という読み物がありますので、こちらもご覧になってみてください。

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5大きさ

実はグランドピアノには何種類もの大きさがあります。

それこそ、三畳にも満たない部屋に入るものから、コンサートホールに設置されるものまで。

ヤマハのグランドピアノを例にとってみましょう。

一番の違いは奥行です。

コンサートホールなどに設置されているCFX(上記LINE UP 右下)は275㎝ありますが、

小さいGB1K(上記LINE UP 左上)は151㎝しかありません。

このピアノを6畳の部屋に設置してみましょう。

こんな感じです。

何を申し上げたいのかと申しますと、

決して、大豪邸でなくてもグランドピアノは入るということ、

そしてこのようなグランドピアノも需要があり、お客様に支持されているということです。

では、実際には、どれくらいの大きさなのか?

楽器センター富山にはグランドピアノの実寸型布というものがありますので、お客様に無料でお貸しすることができます。

是非、実際のお部屋で広げてみてください。

意外と小さいと思われるか、あるいは、とてもとても、という感じになるか、、、

先ずはアクション! 行動あるのみです。

 

えー、長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございます。

長い割には、ただ、機能や規格の説明に終始してしまって、

動画も、実際の音の違いがどれだけ伝わったのか、ビミョーです。

そして、ここまで、書きながら、

こんな音が出る、

こんなに機能が優れている、

アップライトピアノとの違いなど、

実はグランドピアノの魅力の、

ほんの、末端のような気がしてきました。

 

 

本当の魅力は、やはり実際のピアノで音を出したとき。

受け入れてくれて、与えてくれる包容力。

時には厳しく自分が試されたり。

歌ってくれる、歌わせてくれる。

品格。

風格。

そして、音符に表示された音だけでなく、行間を感じさせてくれる。

などが、グランドピアノの魅力の本質のような気がします。

どうぞ、続きは、楽器センター富山の Piano Cloudで、

実際に、グランドピアノを五感で感じていただきましょう。

 

皆様のご来店をお待ち申し上げます。

 

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はじめてのピアノ選び 過去のブログはコチラ ↓ ↓ ↓

はじめてのピアノ選び Vol.1 ~初心者用について~

はじめてのピアノ選び Vol.2 ~ピアノ学習者の練習環境 ピティナ編~

はじめてのピアノ選び Vol.3 ~電子ピアノvsアコースティックピアノ~

はじめてのピアノ選び Vol.4 ~新品vs中古~

はじめてのピアノ選び Vol.5 ~ラインナップについて~

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